飲食店の現場は「現場」を知らなければ決して理解できない。

就職活動中は「何とかなるだろう・・」、そんな気持ちで企業を当たっていた。

そんな中、飲食店を数店舗経営する会社を知り、説明会に参加して、面接に進むことを決めた。そして結果内定をいただき、4月1日より入社することが決まった。その会社は飲食ではあるが、ファミレスや居酒屋ではなくイタリアンであり、スマートな接客、華やかな現場という理想が勝ってしまっていた。

入社前から現場研修を行います。出勤可能日を提出し、出来ない場合は出勤不可能理由を添えること。ある日、内定式の通知とともにこう通達がきた。入社前に数日研修があるという話しは聞いていたが、いきなりフルタイムでの現場研修があるとは知らなかった。

しかし、この時は前向きに考え、かなりのペースでの出勤を承諾した。内定式は実に華やかだった。フルコースディナーにワイン、最寄り駅まで送迎付き。内定者全員お花畑を見ているようだった。・・そしてその2週間後、いよいよ初出勤日がきた。まずはお客様と同じようにエントランスから入る。

「いらっしゃいませ!」と笑顔で迎えられ入店。しかし今日はお客様ではなく、従業員としての出社である。出社の旨を伝えた瞬間から、緊張感が走った。5分ほどエントランスで待っていると、面接や内定式等で何度もお会いしていた上司が来て、仕事の準備が始まった。

案内されたのは、スタッフルームと呼ばれる事務所である。そこは人ひとりやっと通れるほどの狭く暗い場所だった。表からは想像もできない世界である。このような本格的な接客業としてアルバイト経験すら無かった私にとっては、一つ目の驚きであった。

そして制服着用。この店はとても席数が広いためインカム着用が必須であった。その上、スタッフ同士のホールでのやり取りはイタリア語で行うというルールで、インカムをつけた瞬間に、絶え間なく日本語、イタリア語が混ざったやりとりが大声で聞こえてきた。

そんな中でお客様ともコミュニケーションをとり、業務も行う、これは想像を絶する大変な作業だ。まずは洗い場から入り、洗い場の取得が第一といわれ、グラスの洗浄機掛けや皿洗い、拭きをすることになった。徐々にホールに出てバッシング(料理皿の下げ)やテーブルセッティングも行うようになった。しかし、飲食の基本であるこれらの業務は、飲食経験がなく、不器用な私にとっては非常に難しいものであった。イタリアンといえど、お昼や週末は絶え間なく満席が続き、客層もファミリー・団体層がメインであった。

そのため、サービスがどうのこうのの前に、効率とスピードがとにかく重視される世界であった。お皿も1回につき5~6枚は当たり前という世界。(中には7枚持つ先輩もいたりした) 

研修の時には3枚ほどで・・、と言われ3枚持つことが精一杯だった。料理もバランスを保たなければ傾いたり崩れたりする上、お皿自体が特製の皿を使用しておりものすごく重たい。それを効率、スピード重視で行う必要があるのだ。テーブルセットもとにかくスピード重視。ファミレスではなくお昼もコースがメインなため、使用するカトラリーは莫大な量になる。

(お客様一人に対してフォーク3本、ナイフ3本、あとデザート用のが2本で計8本・・)、これを人数分すみやかにバックから用意してセットしなければならない。もたもたしていたら絶え間なく先輩から罵声がインカムや奥から飛び交う。勿論そんな中もインカムは常にスタッフ同士のやりとりの嵐だ。

現場研修が終わった後は、崩れるように座り込んでこう思った。

「なんで飲食という仕事を選んでしまったのだろうか」と。

その日はジュース500mlを3本一瞬で飲み、帰宅後も1?を一飲みした。それほど喉も渇き、休む間もない過酷な現場である。夢の中でもうなされ、研修日の朝には悪夢のような感覚だった。

そんな日が続いた。しかし、今は研修、内定者という立場である。正式に入社したら・・と思うとゾっとしてしまう。今からならまだ就職活動をやり直せるのでは、と考えた。しかし、両親に相談した結果、猛反対をされ、耐えろ、とにかく耐えろと脅された。そしてそのまま4月を迎え、入社式を迎えることになる。入社式の前日のあの絶望感は一生忘れないだろう。

4月1日、入社式を迎えた。案の定、状況はますます悪くなった。とにかくスピードが遅く、効率が悪い。そこがあまりに酷かった。入社1カ月が経過した頃から、先輩から「カスが!」と言われたり、ホールでタックルをされたりするようになった。現場は常に地獄であった。働くということはこんなにも過酷で大変なことなのだという勉強にもなった。

しかし、もう出社するのに限界がきた。そして、入社2か月後、休日だった日に本部の人事担当者に連絡をとり、退職したいと伝えた。その後何度か面談を経て、入社2カ月後の5月31日に退職。この退職を一生後悔はしない。そう自信をもって言える。

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